I-0031-night/カンテン:心を濡らす

❏ 識別番号
 I-0031-night

❏ 危険度∶X

❏ 分布
 異次元を介し、全世界の様々な場所に現れています
 尚、カンテン側が自身の明確な人口を把握していない事から、明確な個体数については不明のままです

❏ 生態
 カンテンはI-0030-night(以下カイエン)と相利共生の関係を築いている、人型の異次元生物です
 日本語、もしくは英語による会話が可能であり、カンテン自身の証言によって、カイエンとの共生関係を推測されていた超擬態生物、C-0029-nightの特性が発揮された読者に表れる『火の玉に見詰められているという錯覚』はカイエンの物である事、シエンとは精神を汚染して乗っ取る事で勢力を拡大していく侵略生命体であり、読者がシエンの印を拡散する事によって被害者が増えて行く為、致し方無くカイエンに焼かせている事が判明しました
 これにより、カイエンとシエンとの間にあると見られていた共生関係は根本から否定され、本来の関係は敵対であると断定。研究室はシエンの収容及び焼却を開始しました
 カイエンはシエンと読者を確実に焼却する為にシエンの特性が発揮された時にのみ行動しており、カンテン自身はシエンが特性を発揮する前にシエンを捕獲し、異次元でカイエンに焼却させるという形で協力をしています

❏ 捕獲方法
 カンテン自身が我々に協力的である為、便宜上収容室に捕獲している事になっていますが、カンテンは収容室の外を自由に出歩く事が可能であり、実質的に我々の研究室がこちらの世界でのカンテンの拠点の様になっています
 尚、人型の不可視生物である為か、定期的に衣服や比較的少量の飲食物、収容室の家具等を要求する事があるので、この協力関係を維持する為、出来る限り要求には応える様にして下さい

❏ 備考
 以下はカンテンの担当となった研究員のカンテンへのインタビュー記録です
〚記録開始〛

「……よし。では、今からあなたへのインタビューを開始します。宜しくお願いします」
[ええ。宜しく御願い致します、研究員様]
「では先ず、あなたとカイエンとの関係についてお訊きします。彼……もしかすると彼女かも知れませんが……とは、どの様な関係なのでしょう」
[カイエン様は、貴方方の見立て通り、私達カンテンと共生関係にあるお方です。私達が彼等に薪等の燃料を与え、彼等は私達に火の温もりを与える、と云う風に]
「では、あなた達カンテンは、シエンの焼却に乗り出す前からカイエンと共生していたという事ですか?」
[そうです。私達が穏やかに暮らしていた所に現れたのが、彼等……シエンでした]
「シエンとは……何者なんですか……?」
[彼等は数多の人々の心を蝕み、乗っ取り、侵略する、悪鬼羅刹の如き者……私達カンテンは今まで、偶然彼等の侵攻と道が交わらなかった為に、彼等に冒される事が無かったのです]
「それは……本当に偶然、だったのでしょうか……」
[或いは、彼等を燃やし尽くす事の出来るカイエン様を恐れた、とも取る事が出来るでしょう。どちらにせよ、私達は、温もりを超えた火を振り翳すしか無かった……]
「…………」
[シエンに乗っ取られた人々は、その多くが無辜の民でした。意識を持ちながらにして他者を甚振り、引き裂き、弑する……そんな事が、あって良い筈が無い……]
「…………」
[故に、私達カンテンは、火を掲げるのです。シエンを焼き尽くし、彼等に操られた人々を救い……生き続ける人々の、灯火となる為に]
「……あなた達の名乗った名の由来が、解った気がします」
[ええ。火の玉は、空にある物ですから]
「他にも色々と訊きたい事はありますが、区切りも良いので、それはまた後日にしましょう」
[私達の事を、少しでも知って頂けると嬉しいです]
「はい。それでは、私はこの辺りで」
[あ、そうだわ……お一つ、宜しいでしょうか]
「はい?」
[松の薪を一束、御願い出来ないでしょうか。私と共に居るカイエン様が、気に入った様で]
「解りました。手に入り次第、お渡ししましょう」
[有難う御座います。今度、何か御礼を致します]
「楽しみにしていますよ」

〚記録終了〛

 この記録の数日後、カンテン自身の希望により、カンテンには鰭玻璃と云うコードネームが与えられ、沈まぬ夜支部から外出する際に便宜上の名前として用いられています

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