❏ 識別番号
T-2039-night
❏ 危険度
XXX
❏ 分布
日本やアメリカ等の先進国に密集する様にして棲息していますが、後進国等でも数ヶ月に一回程度の頻度で観測される事があります
❏ 生態
トリーリヒテンベルクは、体長4cm、体高3cm程の大きさの、猫に似た完全透過性生物です
前足の鉤爪にモールス信号を用いた電信を行う事で意思の疎通が可能です
多くは後記する特性の為、人の住む家屋の片隅や屋根裏等、人の眼の付き難い場所に、木の枝や藁等、様々な物質によって形成される小規模な巣を作ります
トリーリヒテンベルクは生物でありながら生体電気を自力で作る事が困難であり、飲食以外にも、体内及びそこから繋がる前足の鉤爪にある翡翠色の結晶に蓄電を行わなければ三日〜五日程度の期間で死に至ります
専ら用いる蓄電方法は鉤爪を太陽光に露出する事による太陽光発電ですが、太陽が沈み始める昼頃からは自分の巣がある家屋の電子機器のケーブルに鈎爪を触れさせ、ケーブルを流れる電気を鈎爪で受ける事で蓄電を行います
ケーブルによる蓄電を行う際、ケーブルの内部ではトリーリヒテンベルクの鈎爪に向けた著しい電圧の変化が起こる為、ケーブル内の異物やボイド等を基点とした電気トリーを誘発し、電子機器の破損や放電事故、それによる火災等を引き起こす可能性がある為、懸念される危険性から危険度をXXXと定めています
❏ 捕獲方法
トリーリヒテンベルクの鉤爪は太陽光発電の際に取り込んだ光によって蓄光する他、完全透過性を獲得する為に蓄電した電気を用いている為、完全透過性生物の知覚が可能でなくとも、巣を見付ける事が出来れば、眠っている時に容易に捕獲する事が出来ます
想定される危険性は無視出来ませんが、上記した生物的な欠点による個体数の減少もまた看過出来る物ではない為、研究室内で規定の個体数の保護が例外的に認められています
❏ 補遺
研究室での保護を行う場合は、専用の蓄電機器及びモールス信号の発信と解読が行える媒体を設置しており、日光浴が出来るスペースのある人の住む空間に於いて保護を行なって下さい
トリーリヒテンベルクは猫の様に掴み所の無い性格をしている事が多いですが、根気強く意思疎通や給餌等を行えば懐く事もあるので、円滑な保護を行う為、定期的に交流する事を推奨しています
❏ アクシデントS
2026年2月24日、沈まぬ夜支部に於いて行われていたトリーリヒテンベルクへの交流等も含めた実験中、研究本部の研究員、宙見桜が出張の序でと云う理由で当支部に立ち寄り、トリーリヒテンベルクへの実験に参加。当時居た六匹のトリーリヒテンベルクの内一匹と交流を行っていましたが、交流する内に宙見桜研究員の感情が高まり、交流していた個体を抱き上げ、頬擦りをしました
その際、トリーリヒテンベルクが自身の鉤爪から高電圧の電流を放出。該当個体は体内の電力を著しく消耗した事によって失神。平時の平均である300〜600/m程度の心拍数が一時的に100/m程度まで減少し、万全に蓄電を行なった後も瀕死状態が約50分継続。その後も意識混濁状態が約22分継続されました
以上の被害を受け、宙見桜研究員には当支部に於ける研究参加に対する厳重な制限及びトリーリヒテンベルクへの接触を三年程度禁止する要請が為されました
今回のアクシデントに於けるトリーリヒテンベルクの電流放出については、宙見桜研究員自身の身体能力及び抱き上げた後の頬擦りと云う急激な接触によってトリーリヒテンベルクの警戒心、恐怖心が刺激された為と考えられており、当支部の研究員にも支部長直々に再教育が行われ、再発防止が徹底されています
コメント