空離菌案件記録、異世界観察計画

案件記録元I-0002-nasubi/空離菌

空離菌感染者、雨元商輔の手記に記述された「きれいな花」及び彼の死体についた咬痕についての追加研究である。

空離菌感染時にのみ観測できるとされる「異世界」の観察を目的とする。

計画

鼓屋戦闘員長が瞬間移動する時、衣服、所持品を無意識で同時に移動させるのを利用し、

「探査機を持って瞬間移動し」→「空間同士の境で離し」→「現次元に戻る」ことでの探査機着陸を目指す。

探査機は茄水支部が保有しているツキエンキョウ3体のうちの1体に自動で走る駆動装置を装着させ、擬態とスムーズな異次元移動の為にツリー化した動物の皮膚を纏わせる。

実験

駆動装置完成。「flower」と命名。

15:00 実験開始。鼓屋幽人、「flower」を持って瞬間移動開始。

10秒後 幽人現次元に帰還。「flower」を持っておらず、着陸成功とする。

茄水慎一、もう一体のツキエンキョウを目に当てる。

『異次元に存在するもう一体のツキエンキョウの視界』

1分間砂嵐が流れた後、接続成功。

ツキエンキョウの脳波からPCに再現映像の接続成功。異世界の姿は、花畑であった。

15:12 「flower」が自走を続けて8分後、生物を発見。凹んだ眼が左に3つ右に1つ、不釣り合いに小さい四脚。その非対称的な姿は言わば趣味の悪い粘土細工の様であった。(以後、第一異世界獣)

第一異世界獣は微動だにせず、「flower」を確認しても無反応であった。この後同種と考えられる生物が合計5体発見された

15:23 それからまた11分後、別種と考えられるの生物を発見。8対の細い脚と正二十面体のようなへこみを持つ目と耳の無い肉食獣の様相を呈していた。(以後、第二異世界獣)

第二異世界獣は現次元的な感覚器官を持たないのに関わらず、「flower」を確認した瞬間、吠えながら襲いかかった。攻撃により接続が強制的に切断された。

「flower」、破壊。同時刻、PCからツキエンキョウの視界を見ていた研究員6名全員、失明。

総括

以下の実験記録より、空離菌を媒介とした異世界の存在、及び咬痕の元となる異世界獣も確認された。異世界獣はそれぞれ第一をその姿から「アグリー」、第二を性質から「ヴァイオレント」と命名するが、不可視性が確認されないので不可視生物生態研究室としての研究はしないものとする。

また、副産物としてツキエンキョウの視界を別機械から共有した場合も、見た人間に視力の低下がある性質も認められた。

あくまで仮説の域を出ないが、感覚器官を持たないのに反応する。正二十面体の二つの点がアストドロンと共通し、同じ第六感を持つのではないかとも考えられている。

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