❏ 識別番号
C-2039-night
❏ 危険度
XXX
❏ 分布
下記の生態及び能力から、事実上この世界の全てが我等多くを望まず(以下狂気と呼称)の変身体、或いは複製体であると云う説があり、且つその説を否定出来る判断材料等も存在しない為、便宜上全世界に存在していると仮定されています
❏生態
狂気は直径5cm程度の銀色の完全な正六面体で、炭素繊維等の様な独特の蒼い光沢を帯びます
外部からの働き掛けが無ければ基本的に動く事はありませんが、自身の半径10km以内に百個以上の狂気の群れが存在する場合、その群れに向けて時速60km程度の速度で接近していく事が解っています
その他にも、自身に特定の電気信号が与えられた時、狂気はその電気信号に対応した物体、液体、気体、事象へと変質します
生物にすら変質可能であり、変質した生物の記憶や性格、癖等も再現する為、ドッペルゲンガーの正体は狂気なのではないかとする説が提唱されていますが、真偽は今を以て不明です
尚、狂気の変質は一度狂気に触れ、その内部に記録された物でなければ行われません
更に、狂気への記録は狂気に触れた物体や生物が侵食され、狂気に変換された後に行われる為、基点となる物体、生物、事象が存在しない場合、複製は不可能です
狂気による複製を行う場合、その過程で狂気自体を消費しますが、狂気は半年で二回程度の頻度で、一つの狂気を基材として、上面、側面、下面の三箇所に十字の切り込みが入り、皮が剥がれる様にして内側から八つの狂気が現れ、基材となった狂気も約一分程の時間を掛けて元の状態に戻る事で増殖していきます
❏ 補遺
・下記の二つの条件のどちらかを満たした場合、狂気は該当する動作を拒否する事が解っています
『複製を行う際、一度に多くの数を複製する』
『同じ種類の物を複数登録する』
・生物的な側面を持ちながら、増殖の基材となっても、どれ程時間が経過しても、どの様な傷を負っても死なず、朽ちず、老いない永遠性を持つ事から、ある限られた地域では狂気を信仰対象とする文化が存在している事も確認されています
・常軌を逸した性質と、これまでの物理法則を無視した増殖方法を持つ事は、研究者からすれば汎用性、利便性の塊であると同時に、悪夢すら通り越した何かとも評されています
『これでは、私達科学者の立つ瀬はこの世界の何処にも存在しない』
『幾ら神力と云えど、世界の法則だけでは無く、歴史すらも大きく変えてしまう様な力を持つ物は、狂気と云う他に無いだろう』
以上の理由から、畏怖と崇敬の念を籠めて、沈まぬ夜支部では狂気と云う名で呼称されます
・狂気は沈まぬ夜支部に於いて液状化及び結晶化した安定状態での専属的収容が行われており、当支部の支部長小林幽月は
『弊研究支部は現在世界中で最も狂気が集まり、且つ増殖している場所である』
と云う言葉を遺しています
我々は多くを望まない
被害者が一人で済むのなら
自身が、それを可能とする力を持つのなら
それによって、全世界……他の研究支部も含めて、全てが守られるのなら
私は喜んで、たった一人の被害者となろう
報酬は……そうだな
炭酸飲料を、一缶
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