成長している

以下は青森県の海岸で発見されたボトルメールに入った手記の内容です。最終日の記述が、シマオオグライの生態への関連が示唆されています。

2025年9月3日 

調査船タラッサ出航完了。目的はポイントネモの海底の調査である。レアアースだとか何か珍しい物があればいいが…

(省略)

2025年7月26日

ポイントネモまであと200km程の地点まで来た。船員の体調、天気、波全て良好である。気になることがあるとするなら海水の組成を調べると、異常に有機物が少ない。ポイントネモ周辺に微生物が少ないのは知っているが、としても死骸からタンパク質とか尿素とかが出ていそうなものだが。

2025年7月27日

今日は人生最悪の日だ。船員が2名行方不明になった。1人は足を滑らせ海に落ち、助けられる前に消え失せた。もう1人は助け出すために海に入ったらまた消えた。両方共泳ぎは上手いので、溺れたとは思いにくい。そして、1人目の消失から7分後、彼の指輪が浮上してきた。彼は太ってから抜けなくなった。と言っていた。彼は無事なのだろうか。有機物が殆ど無いことと関連はあるのだろうか。

2025年7月30日

時間がないはやくかく。ポイントネモに到着した。しかし船が壊れた大きい穴があいた。修複はできない。沈むしかない。私はこれを書いてビンに入れる。そうすれば少なくとも情報を残せるだろう。有機物は無いのではなく全て食べられていた。はるか巨大な生物に食べられてたんだ。無機物は食べ残されたんだ。じきに私も食べられる。その生物はポイントネモの中心にいる。白黒のしま模様。だ円形。動かない。すでに海面に出て現れている。脈打っている。ポイントネモの中心にいる。

その生物は成長している。

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