名称: カクレリクナガクダモネラ(Monera fistula)
分類: モネラ界 » 透過亜界1
危険度: X
分布: 北大西洋及びその周辺地域で確認。都市部に集中する傾向がある。
外見: 丸みを帯びた円筒形の個虫が連なり、長い連続した筒状のひも状の体を構築します。各個虫の体長は概ね12~13cm、直径は9cm程度であり、円筒の上下を他の個虫と接続して非常に長大な個体を形成します。この特徴はクダクラゲ等との類似が指摘されますが、両者の関係に関しては未だ解明されていません。カクレリクナガクダモネラの個体の全長は特定されていませんが、大西洋中央海嶺近海で採取された個虫とグリーンランドで採取された個虫が同一の個体を構成するものであると判明した事例が存在するため、少なくとも600kmほどの体長を持つ個体が存在することが確認されています。
生態: カクレリクナガクダモネラはその起源を海中に持ちますが、後述する分裂によってその体を伸長させ、しばしば陸地に到達します。カクレリクナガクダモネラの生活史は未解明ですが、ひもの先端に位置する個虫の体細胞分裂によって個体の伸長を伴う成長を行います。この成長は主に電気的刺激によって活性化する傾向にあります。サンプルを用いた実験では、電気刺激によってカクレリクナガクダモネラを構成する無数の透明でゼラチン状の粒子が増殖して新たな個虫を形成する様子が観察されました。この粒子は、1868年に生物学者トーマス・ヘンリー・ハクスリーが報告した未分化な原形質(プラズマ)によって構成される”始原生物モネラ2“のものに類似します。またこの個虫の増殖は指向性を持ち、先端部から最も近い電荷集中部へと向かうことが知られています。そのため特に長大なカクレリクナガクダモネラの多くは都市部上空、主に電柱の電線接続部で観察されます。またカクレリクナガクダモネラはその成長の際に正負問わず電荷を消費することが知られています。これは電線に対しては特段影響を及ぼさない程度の微弱なものですが、LANケーブル等の微弱な電流を使用する導線に接続した場合はその通信を妨害するのに充分です。また都市部のカクレリクナガクダモネラ個体はその性質から、電柱から電柱へと渡ることでそれらを繋ぐ体のネットワークを構築します。また、海中のカクレリクナガクダモネラの一部は古い大陸間電信ケーブル等から電荷を得ることが知られています。
前述の通りカクレリクナガクダモネラは非常に原始的な生物であり、その透過特性は未発達です。本種の透過は冬季の晴れた日中においてしばしば不完全化し、その輪郭が観察可能な状態となります。この際観察される体は白みを帯びて透き通っていますが、その反面体内の諸器官は観察されない、もしくは存在しません。カクレリクナガクダモネラの特徴を鑑みると、始原生物モネラ同様、一般的な生命活動を行うための器官を持たず、またそれを要するほど進化していない可能性があります。従って、本種は内部に空洞を持つ円筒形の個虫が数珠状に連続したものの集合であると推測されます。また冬季の晴れた日中にのみ観察可能となる原因は、”この時期の光は本種の身体を通過した際の屈折率が微妙に異なっている”や”生息海域の水温や海流の変化によるもの”、”冬の白く澄んだ空気と本種の体様が一致しており、その境界が曖昧になっている”等の仮説が提唱されていますが、いずれも根拠に欠けるもしくは未検証です。
捕獲方法: 生息域の電柱の電線接続部を捜索することで発見可能です。カクレリクナガクダモネラを構成する個虫は、人為的な採集などによって途中で断絶した場合でも即座に断絶部の両端を繋ぎ合わせることで同一性を保った状態を維持することが可能です。そのため捕獲時は構成個虫の一つを抜き出すようにして採集し、その両端を手早く接続することが推奨されます。
脚注
1. より詳細な分類は特定されていません。
2. 1857年に、イギリスの測量船サイクロプス号によって北大西洋深海底から採取された軟泥生物。生物学者のトーマス・ヘンリー・ハクスリー及びその友人で動物学者のエルンスト・ヘッケルの研究の結果、進化の過程における”無機物と有機体、無生物と生物を繋ぐミッシングリンク”であることが判明した。
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