
危険度:XXX
外見
全体像は不明です。真っ黒な腕のみがこちらの次元に現れます。また、赤い2つの目を持つ可能性があります。
腕は枯れ枝のような質感で、先端が鋭く尖った3本の指が生えています。
生態
カガミドワカシは夜行性かつ肉食性であり、狩りを行うのは決まって深夜で、獲物は人間です。
カガミドワカシは「対象の姿を明瞭に反射できる程度の反射性」を持つ物体を介してこちらの次元に干渉を行います。
具体的には、反射面の前に居る人間に向かって異次元から腕を伸ばし、対象の四肢等を掴んで異次元に引っ張り込みます。そのため目撃者からは、人間が鏡の中に消えたように見えます。
また、上記の条件は姿見だけでなく、窓ガラスや水溜まり等にも当てはまっており、実際それらから出現したこともありますが、人間を引き込むに足る大きさや、形状が大きく変化することなく、反射面が揺らいだりしないものを好むようで、狩りの際はたいてい姿見を利用します。
また、個体ごとに一度定めた出入口は滅多なことが無ければ変更しないため、異次元生物でありながら実験や長期観察は容易です。
実験記録(一部抜粋)
下記の全ての実験において使用した姿見は、とある高校の中央階段踊り場に設置されているものです(詳細は後述)。姿見だけを回収するということが出来なかったため(〃)、学校側に許可を取った上で実験を実施しました。
日付:████/██/██
実験対象:日光侶烏支部長
目的:異次元に連れ去られた後、対象の身に何が起こるのかの確認。
実施方法:午前1時、ボディカメラを装着した支部長を姿見の前に立たせ、観察。
結果:10分ほど経った頃、カガミドワカシが出現。支部長が連れ去られる。ボディカメラは異次元に入った時点で故障し、何も写っていなかったが、支部長のクローンが社に出現したため死亡したものと判断。
後日支部長にインタビューを実施した。曰く「真っ暗で何も見えなかったが、いきなり生臭さと暖かさを感じたと思ったら死んだ。捕食されたのだと思う」とのこと。
メモ:恐らく口の中に放り込まれたのだろうが、そうなるとカガミドワカシはかなり巨大な口を持つことになる。
日付:████/██/██
実験対象:日光侶烏支部長
目的:カガミドワカシの全体像の確認。
実施方法:午前1時、ヘッドライトを装着した支部長を姿見の前に立たせ、観察。
結果:5分ほど経った頃、カガミドワカシが出現。支部長が連れ去られる。それから約4分後に社にクローンが出現。
後日インタビューを実施した。曰く「身体の色と周囲の環境の色がほとんど同じ黒色で、全体像は分からなかった。真っ赤な点が横一列に2つ付いていたが、目のような物だったのだろうか。あと、光に怯えるような様子はなかった」とのこと。
メモ:こちらの次元の夜中にしか狩りを行わないので、光が苦手なのかとも思ったが、むしろモグラみたいに目が退化しているのだろうか。
支部長メモ:前回の実験より出現までが早かった。「この時間になると餌が貰える」とか考えている可能性もある。
日付:████/██/██
実験対象:日光侶烏支部長
目的:カガミドワカシが狩りに利用する反射面に優先順位があるかの確認。
実施方法:午前1時、姿見の横に手鏡を張り付け、両方に支部長が映るように配置し、観察。
結果:3分ほど経った頃、姿見からカガミドワカシが出現。支部長が連れ去られる。この後は以前と殆ど変わらないため割愛。
今度は姿見に支部長が映らず、手鏡にのみ映るよう配置したところ、手鏡からカガミドワカシが出現。引っ張られるが、支部長の頭よりも手鏡が小さかったために連れ去ることができず、約15秒後に解放された。
メモ:対象が映っている反射面からのみ出現する可能性が高い。また、対象よりも小さな反射面には引っ張り込めないようだ。
支部長メモ:出てくるのが早すぎる。間違いなく学習しているな。あと、こういう実験はもっと最初のほうにやるべきだろう。
日付:████/██/██
実験対象:前回の実験で支部長が着ていた衣服を着せたマネキンと、10kgのブロック肉に誰かが購入した仔牛の血液を掛けた物。
目的:カガミドワカシの狩りの対象の選定基準の確認。
実施方法:上記のマネキンと肉を姿見の前に並べ、観察。
結果:設置後1分程度でカガミドワカシが出現。迷う素振りもなくマネキンを連れ去った。マネキンの行方は不明。弊支部で飼育しているイキウツツを上記の条件に加えて配置してみるという案も出たが、支部長に却下された。
メモ:肉よりも、人型の物を優先したように見える。匂いや外見でなく、形状で狩りの対象を選定している可能性が高い。
支部長メモ:イキウツツの使用を却下した理由だが、単純にイキウツツの捕獲難度が高いためだ。我が支部で管理しているイキウツツは職員の娘に擬態していたからすんなり捕獲できただけで、他の個体を捕まえるのは見知らぬ家庭の子供を拉致するのと殆ど同じだからな。
日付:████/██/██
実験対象:姿見そのもの
目的:姿見を破壊するとカガミドワカシはどうなるのかの確認。
実施方法:カガミドワカシが出現している状態で姿見をハンマー等で破壊する。支部長から実施の許可が降りなかったため実現せず。
支部長メモ:もし仮に姿見を破壊して、それでカガミドワカシが死ぬのではなく、別の反射面に移動でもされたら面倒極まる。この姿見に何かしない限りはここから動かない様だし、この管理状態を維持する方向で行こう。
捕獲方法
具体的な捕獲方法は確立されていません。
対処法としては、カガミドワカシの出入口になっている可能性がある反射物に自分の姿を映さないことがあげられます。
発見経緯
カガミドワカシは2026年8月█日、『黒烏の衆』支部が██県立維縵東高等学校(以下、維東高校)のオカルト研究部から、「最近起きた生徒の失踪事件に不可視生物が関わっているかもしれないから調べてほしい」という依頼を受けて調査した結果、発見されました。
その失踪した生徒(以下、T氏)は肝試しと称して真夜中の学校に忍び込み、曰く付きの前述の姿見の前に滞在していたところ、突然姿を消す映像が監視カメラに残されており、ここから維東高校では「真夜中の姿見に映ると鏡の中に引き込まれる」という噂が囁かれるようになったそうです。
この姿見は以前から七不思議の一つとして数えられていたらしく、T氏の他にも真夜中に姿見を訪れる人間は多くいたとのことで、「この姿見に人間がよく集まる」ことを知ったカガミドワカシがここを狩場とした可能性は非常に高いです。
また、この姿見を『黒烏の衆』支部の地下研究施設に移設するため取り外した際、姿見の裏の壁に大量の御札が貼られていたことから、移動は中止されました。
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