I-0815-atakuru/逶虵陽炎:暑すぎて目が眩らむ。

「シャァァァァァ!!」

 トラックがアンと接触するその刹那、口を開け落下してきた大蛇がトラックを吞み込み突き刺さった。

「アリャキエダ⁉」
 そう、トラックを吞み込んだのは2人が探していた生物、アリャキエダだった。

「アン!!」
 コウがアンの元へ急いで駆け寄り叫んだ。

「おまえ、なんで急にとびだすんだよ……!」
「ご、ごめんなさい……で、でもヘビつかまえたから。」
 そう言いアンは抱き抱えていた大蛇をコウに見せた。

「ヘビ?アリャキエダはここにささって……」

「え?じゃあこの子だれ?」

「もしかしてあたらしい不可視生物?」

「ぐぇっぷ……」
 2人が話している傍ら、地面から抜け出したアリャキエダが苦しそうにゲップをした。

「ああ!アリャキエダもホントにありがとう。おまえがいなけりゃアンが、」
「あ!トラックの運転手!!」
「やべっ、忘れてた。」

 2人は急いでアリャキエダの口の中に入っていった。



「ヴォォォォォォン」
 中では誰かの鳴き声が盛大に鳴り響いて聞こえていた。

「これアリャキエダのなき声?」
「わかんないけど、アリャキエダだとしたら『ようこそ、わが体内へー』って言ってるんじゃない?」
「ま、とりあえず探さないと。」
「すいませーん!!!だいじょうぶですかー!!」
「あ、あそこにトラック!!」

「だいじょうぶですかっ、って、ええ!?なんだこれ!?」
 車内を覗くとそこに人はおらず、あるのは人を模した腫瘍だった。

「人がたのしゅよう……これもしかしてキルシラじゃない?」

 C-001-starkaki/キルシラ。車を模したクジラで、猛スピードで人に突っ込む厄介な生物。
 偽りの車キルシラは決まりが悪そうにそっぽを向いた。

「ホントだ。星覧支部にとどけるか。」
 2人はキルシラをつれてながら出口へ歩いていった。

「ねぇ、コウ。このこと、さすがにおこられるかな?」
「みんなぶじなんだし、ぜってーダメなんかじゃないって。」
「そっか、うん。コウがそういうなら、信じる。」


 アリャキエダの口から出ると、騒ぎを聞きつけた人が集まっていた。

「どうしよう周りに人がたくさん……目立っちゃってるし早くにげないと。」
「さすがに『能力』つかうしかないか……」
「そうするしかなさそう……、うん!ホントはいけないけど、コウ解放きょか!」
「りょうかい!」

 コウのニヤッと笑った合図に合わせ、黄白衣がだんだんと黄色に染まっていき、夏風が彼に集まってくる。

『輝光閃術31式 type:FR “忽然散光”』

 コウから迸った黄色い閃光が辺り一面を上書きし、人々の脳裏を焦がしていく。

「よし!今のうちにアリャキエダにのりこんで支部までかえるぞ!道まちがえんなよ!アリャキエダ!!」
「おー!」
「シャァァァァァ!!」

2人は騒ぎとは逆方向に頭狂支部へと目指し進んでいった。


研究員コメント


金烏支部長、今直ぐ説明しなさい。これはどういうことですか?

――清光研究員

支部長コメント


新種とか見つけなけりゃ俺の作戦は完璧だったのに……

――金烏支部長

研究員コメント


どうやらまったく反省してないようですね。
腹が立っているの大人な支部長には解んないようなので
痛い目見てもらいます。

――清光研究員

コメント

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