「シャァァァァァ!!」
トラックがアンと接触するその刹那、口を開け落下してきた大蛇がトラックを吞み込み突き刺さった。
「アリャキエダ⁉」
そう、トラックを吞み込んだのは2人が探していた生物、アリャキエダだった。
「アン!!」
コウがアンの元へ急いで駆け寄り叫んだ。
「おまえ、なんで急にとびだすんだよ……!」
「ご、ごめんなさい……で、でもヘビつかまえたから。」
そう言いアンは抱き抱えていた大蛇をコウに見せた。
「ヘビ?アリャキエダはここにささって……」
「え?じゃあこの子だれ?」
「もしかしてあたらしい不可視生物?」
「ぐぇっぷ……」
2人が話している傍ら、地面から抜け出したアリャキエダが苦しそうにゲップをした。
「ああ!アリャキエダもホントにありがとう。おまえがいなけりゃアンが、」
「あ!トラックの運転手!!」
「やべっ、忘れてた。」
2人は急いでアリャキエダの口の中に入っていった。
「ヴォォォォォォン」
中では誰かの鳴き声が盛大に鳴り響いて聞こえていた。
「これアリャキエダのなき声?」
「わかんないけど、アリャキエダだとしたら『ようこそ、わが体内へー』って言ってるんじゃない?」
「ま、とりあえず探さないと。」
「すいませーん!!!だいじょうぶですかー!!」
「あ、あそこにトラック!!」
「だいじょうぶですかっ、って、ええ!?なんだこれ!?」
車内を覗くとそこに人はおらず、あるのは人を模した腫瘍だった。
「人がたのしゅよう……これもしかしてキルシラじゃない?」
C-001-starkaki/キルシラ。車を模したクジラで、猛スピードで人に突っ込む厄介な生物。
偽りの車は決まりが悪そうにそっぽを向いた。
「ホントだ。星覧支部にとどけるか。」
2人はキルシラをつれてながら出口へ歩いていった。
「ねぇ、コウ。このこと、さすがにおこられるかな?」
「みんなぶじなんだし、ぜってーダメなんかじゃないって。」
「そっか、うん。コウがそういうなら、信じる。」
アリャキエダの口から出ると、騒ぎを聞きつけた人が集まっていた。
「どうしよう周りに人がたくさん……目立っちゃってるし早くにげないと。」
「さすがに『能力』つかうしかないか……」
「そうするしかなさそう……、うん!ホントはいけないけど、コウ解放きょか!」
「りょうかい!」
コウのニヤッと笑った合図に合わせ、黄白衣がだんだんと黄色に染まっていき、夏風が彼に集まってくる。
『輝光閃術31式 type:FR “忽然散光”』
コウから迸った黄色い閃光が辺り一面を上書きし、人々の脳裏を焦がしていく。
「よし!今のうちにアリャキエダにのりこんで支部までかえるぞ!道まちがえんなよ!アリャキエダ!!」
「おー!」
「シャァァァァァ!!」
2人は騒ぎとは逆方向に頭狂支部へと目指し進んでいった。
研究員コメント
金烏支部長、今直ぐ説明しなさい。これはどういうことですか?
――清光研究員
支部長コメント
新種とか見つけなけりゃ俺の作戦は完璧だったのに……
――金烏支部長
研究員コメント
どうやらまったく反省してないようですね。
腹が立っているの大人な支部長には解んないようなので
痛い目見てもらいます。
――清光研究員
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