指標/特色

概要

可視動物にオッドアイやアルビノが発生するように、不可視生物にも先天的に特殊な体色形質を呈する個体が発見されることがあります。

当支部ではそういった身体色に纏わる不可視生物の突然変異を“特色化”と呼び、それらの影響を受けた個体を“特色種”と分類して研究を深化させています。

特色種の特徴

不可視生物の特色種は、基本的に多個体とは明確に身体色が異なることにより直ぐに見分けられます。

また、色相によって特殊な形質・生態を呈することも判明しています。

しかしながら特色種の発見は極端に困難であることで知られており、観測を目的とした調査は往々にして失敗します。現在、特色種との遭遇性を明確に上昇させる手段は未発見です。

研究を先行している当支部においても、未だ十数個体しか観測できていません。

特色・特性の一覧

これまでの記録から特色種の色相は、後述する全7色に大別されています。

赤色系

特色が赤色系である場合、その個体は単純な身体能力の上昇や多種敵対性の増加など、総合的にナチュラルなスペックに対して際立つ能力を発揮します。超擬態性と強い関わりを示すこともあります。

他方で、自らの凶暴性などに理性が振り回される、または力の加減が難しいといったデメリットも存在するようです。

画像︰▓▓県で観測されたレッド・ドクロハイエナです。屍肉以外にも生きている不可視生物を捕食するという暴食行動を見せ、討伐後にサンプルを保管中です。新たな開発製品の素材にされる予定です。

青色系

特色が青色系である場合、その個体は知的思考性の上昇に伴い狡猾的で合理的な生態を示すようになります。完全透過性と強い関わりを示す場合もあります。

また多くの場合、群体コミュニティを率いて団結の旗頭となる傾向にあり、異常発生などの際には先んじて存在を疑うことが肝要です。

黄色系

特色が黄色系である場合、その個体は独創性や発展性に長けており、併せて活動的エネルギッシュであるともされます。

他方で自身の興味のないことには怠慢になったり、自分のペースで動くせいで周囲と噛み合わないこともあります。

そのため、自分だけの道を貫くケースと、他の個体と共に行動して情熱的に活動に励むケースに分かれます。

緑色系

特色が緑色系である場合、その個体は生命力や肉体の頑質性が顕著であり、無気配性や自然と強い関わりを有する傾向にあります。

精神性としては温和であったり平和的であることが多く、多種とも共生関係を築きやすいとされますが、自身の生息環境への何らかの侵害には明確な敵対を示します。

多種とのコミュニケーションも可能な場合、森の主になるかもしれません。

画像︰▓▓県で発見されたグリーン・モルメです。森への侵入者を「追尾」して善悪を見極め、P─0006/フェアリー森林種のように対応するという極めて特殊な生態が確認されました。

特色が白色系である場合、その個体は日中や清浄さ、信仰感に強い関わりを有することがあります。

主に慈母のような愛他主義が生態の各所で見られ、他の不可視生物の営巣や子育てを手伝うこともあります。

これらの個体は往々にして生態系の鍵となるキーストーン種に指定され、土地によっては守護神のように外界からの負的影響を阻む行動も確認されているため、過干渉は推奨されません。

特色が黒色系である場合、その不可視生物個体は邪悪性かカリスマ性のどちらかを多く備えています。また、夜や闇、不可視性全般と強い関わりを有することもあります。

精神性として、自身より下位の存在を従えたり、保身のために人質を取るような狡知さを備えることが多いです。

紫色系

特色が紫色系の不可視生物は、全体として異次元生物ではなくても異次元に強い関わりを有することが多く、数々の特色種の中でも最も未知数です。


法則一覧

以下は、特色化において当支部で判明している法則の一覧です。

濃淡の法則

特色種においては、その特色の濃度が激しい程に系統が変化します。

例えば、赤色系の特色であったとしても桃色に近い場合や赤褐色に近い場合では大幅な差異が見られることが判明しています。

中間色の法則

もしも赤色と黄色の中間色である橙の特色種が存在する場合は、どのような特性を得るでしょうか?

正解は『原色となる2色の影響を、低い程度に折衷して兼ね備える』です。

また、もしも複数色の特色を呈する生物がいたとしても、恐らく各色による影響は控え目になると示唆されますが、そもそもそのような希少すぎる個体は未だ確認されていません。

✳しかしながら、例外として紫色のみは原色である赤系や青系とはまた異なる特性を齎す傾向にあると判明しています。

元々の体色と殆ど同じ特色を獲得するケースは基本的に無いとされています。

例︰P─0007/キチッパーが桃色の特色を呈する、カゲクジラが紺色の特色を呈するなどのケース。


種別の特色種発生の有無

特色種が発生する不可視生物種と、特色種が恐らく発生しない不可視生物種があることが、これまでの研究により示唆されています。

著しく確率が低いだけの線もありますが、少なくとも繁殖率の高い不可視生物を集めれば簡単に色違いの特色種をコレクション出来るとは言えないでしょう。

他方で、相反して通常よりも特繁種が見られやすい不可視生物種も存在しているとされるため、もしも特色種を生で見たい場合はそれらの種を観察すると良いかもしれません。

特色種レポートについて

もしも特色種を発見した場合は、以下のようなフォーマットに沿うことが出来ます。

 

フォーマット1︰[四分類]─[識別番号]─[文字列]─SC/[特色のカタカナ英語]・原種名

↳名称例1︰I─0006─DAWN─SC/レッド・ドクロハイエナ

 

フォーマット2︰[四分類]─[識別番号]─[文字列]─SC/原種名(特色のカタカナ英語)

↳名称例2︰I─0006─DAWN─SC/ドクロハイエナ(レッド)

SCは、特色SpecialColorの頭文字を取ったものであり、全角または半角での附随を推奨します。

また、大規模生息域や亜種の場合は以下のようになるでしょう。

名称例1︰I─0007─DAWN─PH─SC/ブルー・ネトリBSS亜種

名称例2︰I─0007─DAWN─PH─SC/ネトリBSS亜種(ブルー)

更に、特色が関係するレポートにはタグ︰特色が有効です。

なお、上記はこれはあくまでも当支部に限られたフォーマットであり、より新たな形式でも特色種として判別できるならば、それも発展として認められます。

最後に

特色化については謎が多く、未だその機序すら定かではありません。

学会においては“光のスペクトル散乱のような事象が関連しているのではないか”とも議論されていますが、明確な根拠の確立にはサンプルの不足が問題視されています。

各支部や各機関における特色種の研究の発展を願って、これにて提唱を終えます。

不可視生物生態研究室︰東雲支部

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