名称: エリゼヨカクレチョウ(Elisea noctifuga)
分類: 無気配生物
危険度: X
分布: レースィル山,エリゼ島
付記: エリゼ島の調査困難性から、島内の不可視生物に関する研究は主にレースィル山頂の研究所から不定期に送付される書簡に半ば依存しています。以下にエリゼヨカクレチョウに関する内容を含む書簡からの抜粋を示します。
エリゼ島からの手紙/7通目
(前略)
この島に来てから初めての夏がやってきました。こちらはカラッとした天気ですが、日本の夏の湿気は厳しいでしょう。どうか皆さま熱中症などにお気を付けください。
さて、夏に入ってからというもの、研究所のある山頂がにわかに賑やかになってまいりました。昼間には草花の間を飛び回る蝶の群れが多く観察されています。赤青黄色、そして白と黒の蝶がこれまでに見つかっています。時間はたっぷりありますので、次の便りの時にはそれぞれについて簡潔な報告ができる見込みです。
このうち黒の蝶に関しては、今のところクラスネコトノハ群生地で葉にとまっている数羽が稀に観察できるのみなので十分な情報が得られないかもしれませんが……。続報をお待ちください。
話は変わりますが、9度目の手紙となるともう伝書烏も迷うことが無くなってきたように思えます。エリゼキュウショウガラスの航続能力は目を見張るものがありますが、ルートに慣れるまでに時間がかかるのがネックですね。
(後略)
エリゼ島からの手紙/8通目
お手紙遅くなってしまい申し訳ないです。このところ昼夜逆転生活になりかけていまして、諸々をする時間があまりとれておらず……。言い訳のような話ですが、実のところこれは不可視生物の影響によるものなのです。
先日報告した6種の蝶のうち、黒い蝶はクラースネー川の流域に数羽しかいないとお話しましたね。違ったのです。彼らは別のところに密集していたことが分かりました。このところ夜が明けるのが明けるのが遅く感じられていて、皆起きるのが遅くなっていて、部屋がやけに暗くて、それでも光が差し込んでいて。それで、無気配生物を見れる人がふと外を見たら、黒い蝶が、そしてその卵が、夜闇のように窓にびっしりと……
(後略)
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