名称: ヤマナギホシミカモメ
分類: 無気配生物
危険度: X
分布: 夏にはユーラシア大陸南方の沿岸部に多く見られるが、冬には内陸へ移動する。
外見: 通常のカモメ科生物との差異は無気配性を除きあまり見られませんが、足に水かきを持ちます。
生態: 夏には沿岸部、冬には山間部に生息し、短距離の渡りをする昼行性の鳥類の一種です。越冬時は特に深い山間部に移動するため、ヤマナギホシミカモメを観察できるのは多くの場合夏の海です。食性は雑食ですが、冬季には木の実や虫等を、夏季には小さな海生生物や人の食物を主な食糧源にしています。
羽は撥水性を持ち、足の水かきを用いることでしばらくの間は水上で過ごすことが可能です。飛行状態からの着水は得意ではなく、大きな水しぶきを上げますが、無気配性によって周囲の生物には察知されないため採餌は容易です。夏季の食餌の際は主に地上あるいは海上に長く留まって寄ってきたものを食べるか、上空から人の持つ食料を奪うようにして行います。結果として夏季の海においてはしばしば食物が知らぬ間に消え去る現象が報告されます。
その無気配性にも関わらず警戒心が強く、飼育下で生まれた場合を除き人にほとんど懐きません。気づかれずに蹴られるなどの被害を防ぐため、食料の確保の際を除き他の生物には近づかないことがほとんどです。夏季に沿岸部に移動する理由も十分な食料を確保して産卵に備えることが大きな目的であるとされ、冬季には営巣、産卵、子育て等のために内陸の山間部に渡ります。
渡りの時期は次の通りです。
- 沿岸部→山間部:9月末~10月半ば
- 山間部→沿岸部:6月半ば~7月頭
山間部への渡りの時期は季節性の潮汐や風の変化を、沿岸部への渡りの時期は星の動きを感知して決まるとされています。その警戒心によって特に人口密集地から離れた山間部に住むため人口の光源に左右されずに星を見ることができます。和名の「ホシミ」はこのことから名付けられました。また日本海沿岸に住むヤマナギホシミカモメの一部は渡りの際に海を越えて中国、韓国、日本などへ移動することが知られています。
ヤマナギホシミカモメは渡りの間に飛びながらつがいを定め、山間部へ到着した直後から営巣を始めます。また夏季のうちに自身の気に入った物品(貝類、甲殻類の殻、しばしば食料品のパッケージなど)を山間部に持って行き、これを巣材として用いる習性があります。他の巣材には主に木の枝などが用いられ、降雪をしのぐために常緑樹の低い箇所に巣を作ります。また他の強い動物の巣や縄張りの近く/内部に作られる場合も多く、これは無気配性によって感知されないこと、及び強い動物の存在を利用して巣や雛を外敵から守るためであると考えられています。
卵は夫婦が交代で温め、子が孵化すると餌を巣に持ち帰るようになります。この時期の特徴的な行動として、渡りの際に海から持ち帰った物品を巣から取り外して子に教え込むことが挙げられます。これは子が夏季に安定して良質な食料を確保できるように、あらかじめ目印を示していると考えられています。
その後成長した子は初夏頃に巣立ち、そのまま沿岸部に渡りますが、親鳥は海の方向を教えるため先導するようにして付き添います。ほとんどの親鳥は往路の途上で寿命を迎えますが、僅かな個体が残って海まで導きます。
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