P-0009-BlacK/シュカヒガン:此岸に咲き誇れ、孤独に散った魂よ

危険度:X

分布

中国全域やトランスアムール(ロシアの極東地域)、ヨーロッパ等で確認されています。

初発見報告は1920年頃のヨーロッパですが、東亜大戦終結後は上記の地域でも発見されるようになりました。

外見

名前はエドヒガンに由来していますが、外見はヤマザクラに酷似しています。

しかし、開花時期や植生はサクラ亜属と大きく乖離しており、生態の面でもシュカヒガンに外見以外のサクラとの類似点は見受けられません。

生態

シュカヒガンは日本で野生個体が発見されておらず、弊支部での独自研究の進捗は芳しくありません。生態の記述は確信に欠けるものであることに留意してください。

《開花期》

シュカヒガンは漢字で朱夏彼岸と書くように、開花期が7月~8月と、サクラにしては非常に遅いことが特徴です。しかもその花に無気配性があるため、花見には不向きです。

この開花期について、一説には後述の生態と併せて、盂蘭盆会の時期であることが関係しているとも言われています。

《栄養源》

シュカヒガンは光合成で養分を蓄えることはほとんどせず、専ら土壌から吸収した栄養分で活動していると考えられています。

しかしながら、前述のとおりシュカヒガンの自生している地域の土壌には共通点が見受けられず、具体的に何を栄養にしているか分かっていません。

歴史的な観点から見れば、シュカヒガンが自生している地域はいずれも過去に起きた大規模な戦争・抗争の戦地となった場所1という共通点があり、そこから生まれた説が「土地に残された戦死者の残留思念を吸い上げて栄養にしている」というものです。

突拍子もない、科学的根拠を持たない都市伝説じみた説であると思われるかもしれませんが、不可視生物の中には人間の感情や生命エネルギーを捕食するものも多くいるため、戯れ言と切り捨てるのは不適切であるとも考えられています。

捕獲方法

上記の説を裏付けるように、近代で大きな戦争が起きていない土地に植えられたシュカヒガンは長持ちしないため、日本を出ずに研究することは殆ど不可能です。

『黒烏の衆』支部は資金は潤沢ですが、フットワークの軽い職員が深刻なレベルで不足しているため、国外フィールドワークは難しいのが現状です。

考察

突き詰めれば、この地球上で一度も戦いが行われていない土地など存在しないようにも思えます。一応、残留思念栄養源説を元にした上でより科学的な目線に立った「多くの人間が長期的に大量に死亡した土地の土壌にのみ発生する未知の成分を栄養としている説」もあり、この未知の成分が時間の経過とともに薄まっていくため近代以前の戦地ではシュカヒガンが自生していない。という考えもありますが、土壌を調査してもそのような成分は検出されなかったそうで、真相は未だ不明です。

支部長のコメント:
ある意味、シュカヒガンは最高に賢い植物かも知れない。人間が生き続けるかぎり、その栄養源は決して尽きることは無いだろう。

 

  1. ヨーロッパは欧州戦争が、中国は欧州戦争後の軍閥闘争が、トランスアムールは██年代の臨時政府成立に関連する紛争が、それぞれ近代で発生している。 ↩︎

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