I-0007-BlacK/ジェディ:生まれた世界は違っても、見た目や言葉が違っても。

インタビュー記録I-07-BK-█

対象:I-0007-BlacK
インタビュアー:日光侶烏支部長
〈録音開始〉

(液体が吸い込まれる音。I-0007-BlacKがお茶を吸収する音と思われる)

支部長:美味しいか、ワタシお手製のお茶は?

I-0007-BlacKは湯呑みを置き、用意された紙にペンで「へんなあじ」と書く。

支部長:こういうお茶をいれたのはこれが人生で初めてだからね。慣れてないんだ。

I-0007-BlacKは困惑する素振りを見せると、「へんなひと」と書く。続けて「きょうはお話の日じゃない」とも。

支部長:そうだな。このインタビューは認可されていない。何しろ、許可を出してくれるはずの異次元生物研究チームがあのざまだからさ。

I-0007-BlacKは「なんのこと」と書く。

支部長:お前たちの進化の方向性は面白いなって話だ。お前たちはG次元の人間みたいなものらしいが、知ってるか? 人間の進化には無駄がない。地球上のどこででも繁栄できるように、あらゆる環境を自身に適応させ得る力を持った。お前たちはどうだ?

支部長:(怒りと呆れを含んだような声色で)そのウゾウゾしてる模様に、何の意味があるんだ?

I-0007-BlacKは合点がいったような反応を見せると、「みんなとなかよくなるため」と書く。

支部長:そうか……。そうだな。別の次元の連中と仲良くなるために必要なんだろうな、その洗脳能力が。人間が砂漠や熱帯雨林でも生きていけるように、お前たちは異なる次元でも生きていくために、現地の生命体を利用する方向に進化したんだ。警戒心を解き、意のままに動かして、余さず利用し尽くすために。

I-0007-BlacKは驚いたような動きをし、「いつから気ずいてた」と書く。

支部長:6月のいつだったか、お前は何種類かの金属を使って捕獲罠を作ってくれたな。材料のラインナップに見覚えがあったんだが、ようやく思い出したんだ。研究班の班長時代にワタシが試作した、異次元間通信装置とほぼ同じだった。やってくれたな、このタコ。

I-0007-BlacKは目を細めると「おまえもぼくとなかよくなれる」、「1か月ごにみんなも来る」と今までより乱雑に書く。

支部長:一つずつ否定していこうか。その模様が洗脳のトリガーなら何の問題もない。ワタシは、ワタシがお前を少しでも好意的に感じられた瞬間に自害して、次のワタシに引き継ぐことができる。次にお仲間だが。……蜂の毒がお前らにも効くと知って安心した。注射と嚥下の区別が無いこともな。

(ボコボコと何かが泡立つような音。その後、何かが溶けていく鈍い音が響く。)

支部長:毒入りのお茶を入れたのは、人生初だったよ。

〈録音終了〉

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