P-0006-LIghtER-磂
危険度:XXX(暫定)
【外見】球形の岩石です。黒色に近い体色を持っており、直径は5cm~10mと、個体によって大きく異なります。
【生態】日本に広く分布しており、樹海や岬、都内の駅舎など様々な場所で確認されています。この生物は場所の移動を含む、殆どの動作を行わないと考えられています。少なくとも、発見済みの個体は例外なく不動です。しかし、生命活動は確かに行われており、不規則かつ僅かに鳴動する様子が確認されている他、1年程度で数グラムずつ体重が増加することが確認されています。
当生物との因果関係は不明であるものの、捕獲に向けた行動を取ると死者の出る不慮の事故が多発することで知られています。
【状態】発見された全個体は、発見時から同じ場所を離れることがない他、あらゆる手段を用いた移動の試みは失敗しており、危険性も少ない事から未捕獲の状態が続いています。また、道具を用いた掘削、切断等の試みもその硬さ叶っていません。なお、接地面を除いた場合、空中に留まります。
【捕獲方法】理論上は磂を囲うようにしてケースなどを設置すれば捕獲が可能ですが、捕獲作業中の死者出現が絶えなかったため、現在捕獲へ向けた活動は終了しています。
【補遺1 – X線CTを用いた生態調査】
6度目のX線CTを用いた磂の解析調査により、内部構造が判明しました。
岩石の様相をしていた磂ですが、岩石と形容される部分は外皮であり、中は空洞部が存在すると判明しました。また、その空洞部には直径約7mmの物体が密集しており、これら一粒一粒が、外皮の外側へ向けて力を加え、鳴動の原因となっているという可能性が提唱されました。
【補遺2 – 磂にまつわる伝承】
■■県の山間部に位置する■■■神社にて保管されている文書に、磂と思しき物についての記載がありました。ここでは、内容を現代語訳したものを資料として一部転記することとします。
享保七年。村では火事により焼け野原となったが、丘の上に建つ神社は不動であった。これは、なによりも、神社の御神体である石若霊による賜物である。飢饉、火事、御風1に始まる災いは絶えないが、粒のひしめく石若霊は、その度に厄を請け負ってくださっている。村民十人の亡くなった火事の後、石若霊はまた一回り大きくなったように見える。それが証拠である。有難いことだ。
・文書に記載される「石若霊」は現在当神社でご神体として保管される直径5m程度の巨岩「イシザクロ」であると思われる。これは磂の一個体である事が調査で判明しており、体長は確認個体でも大型のものである。理由は不明だが不可視性が低く、一般人でも観測が可能である場合があるとされます。
・現在、屋外に置かれているこのご神体に頭部を打ち自死する、という怪事件がここ5年で20件確認されているが、事件の詳細な概要は「自殺」という情報以上、残されていないようでした。以下の補遺3は当神社神主のインタビューで得られた言葉です。
【補遺3 – 神社管理者へのインタビュー】一部抜粋。
一度、イシザクロの中身について聞いた事があります。叔父はこう言っていました。
『気をつけられよ。中は美しい真紅の珠で満たされているが、それらはぐっちょりと濡れ、物の腐ったような芳しくない匂いが纏わりついている。死者の視ることあれども、あなたの入るその時まで。』

- 疫病のこと。 ↩︎
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