P-0117-Vulpes(旧P-0001-Nyctereutes):持ち出し厳禁

P-0117-Vulpes:圏獣外草ケンジュウガイソウ(Homicrescofungus tanukiyai)

旧ナンバー:P-0001-Nyctereutes

危険度 XXX

分類:担子菌門ハラタケ亜門ハラタケ綱ハラタケ亜綱ケンジュウガイソウ目ケンジュウガイソウ科ケンジュウガイソウ属

【概要】
鮮やかな空色の笠と濃い青色の柄の子実体が特徴的な、全身に無気配性を持つキノコの一種です
現在日本世界の一部ほぼ全ての地域で存在が確認されており、これ以上の生息域の拡大を防ぐために世界的な防疫活動が行われています
現在生きている個体の信頼できる発見例は存在しないため防疫活動も行われていません

【生態】
主に哺乳類を苗床として成長します
本種の胞子は空気中を漂った後呼吸により哺乳類の肺の内部に付着して寄生し、菌糸を成長させ宿主から血液中の養分を少しずつ貰う形で生活します
宿主が本種の胞子が漂っている環境にいる限りは本種が宿主に重篤な影響を与えることはありませんが、宿主が本種の胞子が少ない環境へと移動した場合急速に全身に菌糸を張り巡らせて宿主を死亡させ亡骸の上から子実体(キノコ)を生成します
本種には今宿主が置かれている状況を把握できる能力があるらしく、水中や無重力空間では条件を満たしていても発芽することはありません
この際宿主の体は全身が菌糸に侵された結果無気配性を持つようになり、無気配性を知覚できる人物以外には認識することが不可能となります
本種は菌糸から他の微生物を駆逐する成分を放出している他、もし耐性を持った菌株が誕生しても菌糸自体が食作用的に微生物を取り込んで分解するため本種の菌糸で覆われた死体には他の微生物が一切見られません
子実体の寿命は長く自分たちだけで独占した宿主の亡骸を少しずつ分解していきながら最長10年ほど周囲に胞子をまき散らします
本種は非常に感染力と胞子の拡散力が高く本種が一度子実体を生成した場合、その場所から半径100km内の全ての解放空間に胞子がばら撒かれ、その空間にいる全ての哺乳類が本種の胞子を吸い感染してしまいます
菌糸は比較的簡単に駆除することが可能ですが駆除した所で直ぐに別の胞子から感染するため現在完全な治療法は判明していません
菌糸による侵食が始まった場合基本的にその人物は助かりませんが、全身に完全に広がる前に胞子を吸わせることで菌糸の侵食が収まり次第に縮小していき一命を取り留めることがあります

【遍歴】
本種は今は解体済みの支部である「狸屋支部」の支部長およびその友人数名により、太平洋に浮かぶとある無人島で発見されました
発見された当初は無気配性を持ちその島に住むネズミに寄生する特殊な菌類だと思われていましたが島から帰還するとともに友人一人を犠牲として先述した生態が発覚、それと同時に感染が拡大し世界規模のパンデミックが発生しました
不可視生物の研究機関だけでなくWHOなどの国際機関なども協力して感染区域からの移動の封鎖などの防疫活動を行いましたが、本種は人間だけでなくほぼ全ての脊椎動物を病床へと変化させるためにその様な活動もむなしく徐々に生息域を広げていきました
しかしある時から徐々に個体数の減少及びそれに伴う生息域の縮小が報告され、20██年からは発見例が完全に消失し、実質的な根絶宣言が出されました
「狸屋支部」は本種の発見者が本種の対策のために立ち上げた支部であるため根絶宣言がなされるとともに支部は解体されることとなりました
個体数の減少の原因は未だにわかっておらず、尚且つ生息域が減少した際にすでに感染していた生息域内の人物が新たな苗床にならなかった理由もいまだに不明です

【捕獲方法】
無気配生物を知覚できる人間であれば生えているところを手づかみで採取することが可能です

【補遺1】
近年、I-0008-atakuru(ボウゲッパク)の出現事案の際、「赫」の範囲内にいた人物から本種のようなキノコが確認されたという報告がなされました
確認されたのが比較的短時間であることから見間違いかと思われていますが本当に本種であった場合速球な対応が求められるために本種のさらなる研究が必要と判断され、P-0117-Vulpesとして再研究されることとなりました
新しいナンバーが弊支部の物である理由は弊支部支部長である古間銀が元狸屋支部の研究員であったことに加え丁度報告された際に支部長の部屋のデスクの引き出しの奥底から当時の本種のレポートが発掘されたためです

【補遺2】
再調査において根絶宣言前と根絶宣言後の死者・行方不明者を比較した所、根絶宣言後の人口に対する行方不明者の数が微増していることが確認されました

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