元生物レポート/I-0002-nasubi/ 空離菌 また空離菌案件記録、ツリーマウスの閲読も勧めます。
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(秘匿)年3月10日
(秘匿)県(秘匿)市(秘匿)村にてI-0002-nasubi/空離菌の集団感染を発見。茄水慎一、鼓屋幽人、研究員(秘匿)および(秘匿)の二名、また、自由の翼支部より医学部員の(秘匿)、合計五名が派遣された。所持品は化学防護服、記録用カメラ、(秘匿)、他筆記用具やライターなどの私物。
3月11日
研究員らが現地に到着、村長と村人に説明し、無事滞在を許された。村は村民数172名、一般的な農村だが、都市や他の村から隔絶された盆地の村である。不幸中の幸いか、村外に出て感染を広げた者はいなかった。村の状況としては空離病者36名、彼らは一般的な家屋数軒に寝かされていた。環境は都市の病院と比べ最高とは言えないが最低限は保証された医務室であると言える。
集団感染のきっかけとして巨大な空離菌の樹、空離樹が生えたことにある。ある時、空離菌にかかった動物が近くの禿山で死に、空離樹が体内の栄養と(秘匿)県の温暖さを使って急成長し、高さ20mほどにまで成長した。そんな禿山に生えた不自然な大樹は勿論目に付いて、村人は実や葉を口にし、感染した。空離菌は胞子散布を行わず、経口感染と皮膚感染に特化していたためである。さらに1人が空間に切られ血を流して死ぬ。人々は混乱の中で血液に触れ、さらに皮膚感染が拡大した。そしてまた…。以上が事の顛末である
我々は(秘匿)村に改善を約束してこの日の活動は終了した。
3月13日
感染者数の再調査を行った。空離菌の症状である食欲増加、眠気、(秘匿)などを聞き込んで、新しく10人が感染済みと診断され、医務室内の5人が非感染者であると診断された。空離病は空離樹の経口感染と空離病者の血液を素手で触る皮膚感染以外で発病しないのでそれと症状に当てはまらない5人は診察対象から解除された。改めて空離病者と診断された41人に、基本的には普通に生活して構わないこと、しかし遠くには移動せず村の中で過ごすことを伝えた。またそれ以外の村人に対し、もし空離病者が血を流しても決して素手で触らずゴム手袋を着け、多量であったり死亡した場合も、我々が支給する防護服を着て処理することを伝えた。
3月15日
空離病者に向けて異次元移動能力の扱い方について制御訓練を開始した。このあとも計2日ほどまた教えれば少なくとも空間に切られることは少なくなりそうだ。
3月20日
空離樹の伐採を開始する。村の土木作業員に防護服を着ながらの作業であるなど説明をした上で協力を依頼し快諾を受けた。空離樹は林檎の樹のように類似していて、確かに林檎のような実がなっていた。鳥や人に食べられるための擬態と思われる。後々超擬態生物群と照らし合わせるなど要研究。実と枝葉を数個採取し伐採開始。
3月22日
伐採完了。根は異様に短く、元の動物の手がかりは無かった。
それらに並行して治療のための本格的な研究が進められていた。といっても正直な所ほとんど進んでいないのが現実である。何故ならこの次元のどの細菌とも組成が似ていない為根本的な治療の確立に至っていないのである。空離菌には分裂だけするⅠ型と体に影響を与えるⅡ型があるのだが、抗生物質や体内免疫も訳の分からない異次元の存在には対応できないのか、Ⅱ型が身体に被害を加えた時にしか反応せず、その隙にⅠ型があっという間に全身転移する。それに人間が追いつけないのだ。最早ハエル=エクス=マキナに万能薬でも生やしてもらうという案すら出たほどである。
4月5日
(秘匿)
4月12日
(秘匿)
(秘匿)
5月1日
空離樹の実と枝葉の構造が判明した。実は見た目と違いイチジクに近く、水分以外全て空離菌Ⅰ型が占めていた。枝葉はⅠ型とⅡ型が空離病者の血中と同じ割合で存在していた。後の研究でラットに与えて対照実験を行うと実を与えたグループのうち一匹が意識的な瞬間移動が可能になっていた。この発見は大きなものである。また別方向で研究を進めることにする
5月26日
派遣に割り当てられた予算が上限に達した。村には支部にて詳細な研究を継続をすると伝え、防護服計5着を譲渡し我々は帰任した。村人は感染症状および対処法も周知したため、当面の対応は可能と判断した。根本的な解決には至らなかったものの、たしかに功績はあったはずだ。追加研究を続けよう。
最後に、(秘匿)村は現在空離菌の大規模生息域に指定されている。
(秘匿)
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