アストドロン討伐計画、及び未然に防がれた第終級事案

元生物レポートI-0001-nasubi/アストドロン、I-0002-nasubi/ 空離菌、また空離菌案件記録、秘匿村の閲読も勧めますが、あらすじを読めば概ね理解できます。

惑星生物アストドロンの地球への接近が確認された。

対象は地球を含む複数の天体を捕食可能な超大型生物であり、一般戦力による対処は極めて難しいと判断される。

これを受け茄水支部は異次元兵団計画を発動。空離菌により瞬間移動が可能な空離病感染者および複数の不可視生物を用いた迎撃作戦を立案した。

現在、地球に接近しているアストドロンは土星の近くに位置している。また、公転周期から土星の環の一部が食されている。一般人の混乱を抑えるには今が限界と考え、アストドロンの討伐計画を発足する。本記録はその経緯をまとめたものである。

  • 部隊、装備

部隊として、司令官に茄水支部支部長茄水慎一カスイシンイチと、他司令部6名、戦闘員は鼓屋幽人ツヅミヤユウト川虫真琴カワムシマコト煤間由衣ススマユイ菊道秀三キクドウシュウゾウの4人が編成された。

装備は全員に気密服、ヘルメット、生命維持装置、酸素ボンベ、通信機のみの必要最低限の宇宙服と、それぞれに改造ロケットランチャー、ヤドリメダマ二体、コチョウヒル製恐怖ボンベ、ヨウトウガラナキ贋作個体を装備させた。

  • 時録

1時30分 作戦準備開始

茄水:何度も言った話だが、君たちの失敗はイコール全員死ぬ作戦だ。地球の全員な。成功しても君たち4人の命は保証できん。さて作戦についてだが、まずここから宇宙への移動は君たちの瞬間移動を使ってもらう。宇宙内での移動も帰りも同じだ。計算上の移動時間は凡そ10分ぐらいだな。そこからは今までの訓練の通りである。アストドロンが消えたら作戦成功だ。速やかに帰還しろ。それでは健闘を祈る。

2時17分 準備完了。瞬間移動開始

2時28分05秒 全員移動完了。

作戦通り土星の付近に移動完了。通信、所持品も万全である。そして、我々の眼前にはアストドロンがいる。既に数十キロほどの大きさになっていて、地球まで近づいた頃には簡単に呑み込めるほどの巨大さになっているであろう。地球と通信を繋げる。

鼓屋:全員移動完了。所持品も不足ありません。ツキエンキョウでの観察をしてください。作戦を開始します。

28分41秒 作戦開始

川虫真琴、ヤドリメダマ二体視線を向けるように配置する。ヤドリメダマの視線によりアストドロンの注意を引き付け、あわよくば催眠、発狂を起こさせる。

煤間由衣、コチョウヒル製恐怖ボンベ投擲。大量の恐怖ガスを摂取させ、アストドロンの逃走を狙う。

司令部一名、ツキエンキョウによる観察開始。通信機との詳細な観察とアストドロンが嫌う視線の追加をする。

29分28秒 アストドロンの挙動に異変

不自然な巨大化、矮小化、回転を行う。複数の視線と恐怖により混乱していると思われる。

鼓屋幽人、改造ロケットランチャーを砲撃。瞬間移動ができるので、無反動性を削り、火力を激増させた。

29分33秒 ロケットランチャー弾直撃。

アストドロンが後方に戻される。止まると吠えるように口、もとい面を大きく開いて、最も近くにいた菊道秀三に急接近した。

30分45秒 菊道、ヨウトウガラナキで応戦

アストドロンが菊道の射程圏内に入った瞬間、突きで刀を入れる。菊道の身体にヨウトウガラナキによる切断は見られない。そこから、刀を入れた状態で移動しながら切り進める。

31分11秒 菊道が食われる

250cmほど切り進めたところで、引力のようなものに引かれアストドロン内部に取り込まれる、つまり食べられた。この引力が重力か単純に吸い込まれたのかは不明である。

31分16秒 アストドロン、他戦闘員に接近

咄嗟の命令から川虫、煤間が地球とは反対方向に逃げる。鼓屋はロケットランチャーの残弾を全て撃って反撃する。

多少の後退はしたが効果は見込めない。こちらに向かってくるのみである。自決用の武器なんかも無い。

31分18秒 異変

アストドロンが大きく後退した。それに加え、不自然な存在を確認。宇宙服を着ていない、紅の漢服と長い三つ編みの女。金星人の不可視生物、また茄水支部特殊警備員である、空明星コン・ミンシンである。

空:悪いが余裕がないんでな。力づくで行くぜ。

空明星はただの徒手空拳のようなものでアストドロンを圧倒する。一突き、正拳突きを食らったアストドロンはロケットランチャー以上のダメージを食らったように、口を開けて、あらゆる物を嘔吐する。氷、塵などのこれまでに食った土星の環や宇宙塵と思われる物、速度を保ったままの彗星、他異次元の物なのか不明な物質、そして気絶しているが無傷の菊道秀三もいた。

空:これで良し。後はこっちの自由だ。

32分48秒 異次元穴の開放

空明星が異次元穴を開き、そこからアストドロンに向けて星を貫いて食う極細の宇宙生物、アマノガワヲロチの群れが放たれる。アストドロンはそのまま貫かれて、逃げようと急速に小さくなる。

空:逃がしやしない。とっ捕まえてやる。

アストドロンがりんごほどの大きさになったとき空明星はそれを掴み、アストドロンがやったように、丸呑みしてしまった。それからは暴れる様子も無く、戦場と司令塔は絶句も相まって、静寂と化した。

33分20秒 作戦成功

茄水:…あっ、とりあえず!作戦成功!全員帰還しろ!空明星は気絶した菊道とヤドリメダマとガラナキも連れて帰れ!

結果としてはあまりにも予想外すぎたが、兎も角として目的は果たされた。犠牲者もいない。訳が分からないが成功したのでいいだろう。

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