第■等級不可視生物事案・黒烏の衆:第三号-異天決号作戦

第一等級不可視生物事案『黒烏の衆』第四号-彼方からの便り

等級:第一等級(最低等級の事案という意味で設定)

事案名:彼方からの便り

関連不可視生物:I-0008-BlacK[ユメマタギ]

文中に言及があった不可視生物

概要

2026年8月15日、支部長の夢の中にユメマタギが出現しました。当該個体には6月11日に起きた事案と同様、右前足に丸められた紙が括り付けられていました。

また、この紙についても以前の事案と変わらず、夢で支部長が回収した後、目覚めた支部長が同じ内容が書かれたものを握っていました。

紙は3枚あり、うち2枚には前頁の文章が書かれており、もう1枚には両面を使って下記の文章が書かれていました。

(この文章は特殊な翻訳機を使っている為、違和感を感じるかもしれません。ご了承ください。)
 申し訳ございません。以前あなたの夢を介してお届けした助言ですが、届け先の世界を間違っていたことが発覚しました。あれらの文章はあなた方の世界には何の関係もありません。忘れてください。
 ここからは同封した記録文書を読んでいただいた前提で話を進めます。まず、いかに夢から現実を多少改変できる我々でも、「愚弄する物」の行動を操ったりなどはできません。だからこそ、以前あなた方に誤送信した助言があれば、あちらの世界の『黒烏の衆』支部、もとい黒烏の衆支部様は適切な準備を済ませられ、来る決戦で大団円を迎えることができ、世界は滅びなかったはずなのです。
 お詫びと言っては何ですが、あなた方も気になっているであろう「愚弄する物」についての我々の見解を共有いたします。我々の過去視・未来視は全て地球の記憶と運命に由来し、故に地球外や異次元の事象については知りようがないのですが、一つ言えることとしては、愚弄する物はこちらの次元で生まれた存在です。異次元を経由しなければならないほどの遠方に位置する星、または宇宙の中心か隅っこに生息していると我々は考えています。
 本件は完全に当局シナリオ部門の失態です。今後は二度とこのようなことが起こらないよう、再発防止に努めて参ります。
 ですが、最後に。我々はこの活動を止めるつもりはありません。世界は歴史と呼ばれる薄氷の上に辛うじて成り立つ塵山に例えることができ、散っていった先人たちの恩に報い、その安定を保つためには我々の介入が必要不可欠であるためです。それこそが、双頭のカラスに選ばれた私の使命でもあるはずですから。
-オネイロス研究分析局局長、メアリー・スーザン・ランドより

検索しても、「オネイロス研究分析局」についての情報は得られませんでした。しかし、メアリー・スーザン・ランド(Mary Susan Land)という人物については同名の、アメリカで発生した未解決の行方不明事件の失踪者が存在することが判明しました。

2枚目の紙の内容が並行世界の存在を示唆していることは間違いなく、異次元と同様に並行世界についても研究すべきかどうか、支部内で議論が行われています。

また、偶然にも同日には「見えざる偽神の会」の教祖が逮捕され、彼らが外国から日本に持ち込んだ新種の完全透過性生物が『黒烏の衆』支部で飼育されることになるなど、我が支部に関連する出来事が異様に多く発生した日となりました。上記の新種不可視生物については後日レポートを発表予定です。

《支部長のメモ》
 推測だが、こちらの世界とあちらの世界での違いは「見えざる偽神の会のアラビア語版ファウスノミティアの所持」と「例外無く遍く生命を愚弄する物が過去にも召喚されていたこと」であると考えられる。こちらの世界の教祖は詐欺罪とその他数点の余罪でお縄になったが、彼にも世界を滅ぼすような覚悟があったのだろうか。アデロプセウドスとファウスノミティアの管理にはより一層注意しなければなるまい。
 例の愚弄する物についての新情報も気になる。これが事実なら、奴は銀河規模のヨミオクリクラゲみたいな者ということになるのか? その割には異次元移動の他に、多数の妙な能力も持っているようだが。
 ……スルーしたくもなったが、夢を介してデタラメな能力を行使しているオネイロスという組織の存在も仄めかされた。文書中の教祖が「夢のお告げが~」と発言しているが、それとオネイロスとやらにも関係があるのだろうか。謝罪文らしきものでは不自然なほど教祖に触れられていないが……。こんなのどうやって調査しろというんだ。

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