無等級不可視生物事案 Poliknown支部 第一号:ヴォイドルボルグ次元接続
発生時期: カンブリア紀中期(約5億年前)
発生地点: パンサラッサ/古太平洋
関与生物: 不明
概要: 本事案は、古生代カンブリア紀、およそ五億年ほどまえに発生したと推測される大規模な次元接続と、それにより発生した諸影響の包括的な指定です。ヴォイドルボルグ次元接続は現在異次元生物に指定される生物群の誕生の直接的な原因であると考えられています。またこの接続以前に基底次元が異なる次元と接続した痕跡は見つかっていません。
およそ五億年前、カンブリア大爆発などの影響でほとんどの生物門が出そろった時期、古太平洋とも呼ばれる巨大な海洋”パンサラッサ”において、大規模な次元接続が発生しました。その全容は未だ明らかになっていませんが、海洋一帯の空間安定性が著しく低下し、基底次元と、便宜上ヴォイドルボルグと呼称される外次元が空間的連続性を持って重ねあわされたような状態になっていたと考えられています。この痕跡は現在外洋において散見される次元間開口部や、空間的連続性を持った次元接続の発生している地点の存在、及びそれらの空間曲率パラメータの一致などによって現在でも観察可能です。また本事案は恐らく基底次元で発生した初の次元接続であり、現代にいたるまでの全ての次元接続の原因になったと考えられています。
この接続が引き起こされた原因は未だ明らかになっていませんが、以下のような仮説が提唱されています。
- 自然発生説: 自然に発生したとする説。ヴォイドルボルグ次元接続が恐らくは史上初の次元接続であることを考えると、自然に発生するとは考えにくい。
- 異次元生物説: 何らかの理由で次元間移動特性を持つようになった生物が原因であるとする説。後述の通り異次元生物誕生の起源はヴォイドルボルグ次元接続であると考えられているため、可能性は薄い。
またこの接続は両次元の生物の直接的な邂逅を招き、多くの生物種の進化にも繋がりました。
影響: 本事案の影響は、先述した次元接続現象の登場、及び後述の異次元生物の誕生という2つに大別されます。ヴォイドルボルグ次元接続はカンブリア紀中期に基底次元と外次元の空間的連続性を保った重ね合わせを引き起こし、両次元の生物が直接的に邂逅することとなりました。その結果外次元由来の生物の流入、及び基底次元の生物の流出が引き起こされ、それによって発生した交雑等により外次元生物の特徴を保持した生物種が誕生しました。現代にも生息するタコの祖先は、外次元生物の特徴を保持していたことが判明しています。
また空間の重ね合わせに伴いパンサラッサの各所に発生した次元断層(次元間の空間特性のずれにより発生する空間異常)は周辺の生物への負荷となり、同時代における複数種の生物の減少を齎しましたが、それと同時に一部の生物の適応に繋がりました。このような生物は特性の異なる次元間を滑らかに移動する能力を獲得し、これが現在の異次元生物が持つ次元間移動特性の原型になったとされています。ヴォイドルボルグ次元接続は少なくとも4億8000万年前には緩やかに終息しましたが、このような生物は両次元間の空間共有点が徐々に離れていくにつれてより大きな次元断層を飛び越える能力を有するようになり、最終的には現在の異次元生物に見られるような次元間移動特性を獲得したと考えられています。
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