T-0820-sakae/オヤツゼロ:草もハエない

【音声メモ】

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 〈 2 2 5 5 0 1 0 6 _ s a k a e 〉

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[音声メモを再生します]

あ、おーい?聞こえてるー?

聞こえてる……と、しとこうか。
僕は不可視生物研究所、サカエ支部の榮博士だぞ!
多分ね、この音声メモは2026年06月20日に届いたはずだ。

2026年02月22日日曜日にも同じような内容を送ったけど念の為ね。
それと一緒に各支部の支部長にパスキーも送ったはず。
多少ズレてても勘弁してね!

まあ、困ったことにですね、世界とか宇宙が崩壊しまして。ええ。
えーとね、先に読んでくれたかな、T-0820-sakaeの報告書。処分されてないと良いけど。
アイツにねぇ、見落としてた特徴があったぽいんだ。

アイツの幼体がオヤツ食っちゃうとかそう言った内容だったと思うけど、そうじゃなかった。
たしかに当時は糖分や脂質が多くてハイカロリーなオヤツしかヤツらは食べていなかったよ。
……でも世の中にはもっと効率よくエネルギーが摂取出来る方法が存在する。
光合成とか電気エネルギーとか核融合、とか。
効率は良くなくても原子間の僅かなエネルギー諸々を寄せ集めれば莫大なエネルギーになる。

……。

……アイツらは、人間の想定より著しく早く進化していた。
単純な体の造り故に生物じゃおよそ利用しようとは思えない原子同士のエネルギーを自分らの生命活動に取り入れてしまった。
いや、言いたいことは分かるよ。ATPの仕組みとかも、要は原子同士のエネルギーだけど……。
もっと細かい部分、陽子と中性子とか、原子そのもののエネルギーを食い始めたんだ。
原子間力とか、微々たるエネルギーすらも貪って、原子で構成された互いをも食い合って……。

もう、取り返しがつかなくなってしまった。
この世界は草も生えないどころか、生える大地が無い状態だ。

草も『ハエ』ないってか!?

(榮ー、余裕ねぇから早く録音終わらせろー!)

……てなワケで、各支部長諸君。
T-0820-sakae オヤツゼロの根絶を頼みたい。
手段は何だって構わない。

……正直、生物の生態を研究している場所に生物を殺す研究をするようにお願いすることは

とても気が引ける。

でも、ヤツらは絶えず進化し続けている。効率の良い増え方を模索してね。
手が付けられなくなる前に。
どうか、お願いするよ。

あとそれと、羊羹を一切れでもいいから残しておいてもらえると、すごく嬉しいな。

録音日 2255年1月6日、記録者、榮 裕二っと。

[音声メモは以上です 録音日 2255/1/6]

関連文書

第終等級不可視生物事案 サカエ支部 第␣␣␣号 ―おしまい。

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