以下は星覧支部関係者兼P-018-starkaki〈ゲヨント〉 影響者(影響者No.132)の証言のもと、内葉研究員 により書き起こされた予言の内容です。記憶、及び夢の内容報告であるため一部描写に誤り、正当性がない可能性があります。
檻を空けて、お世話になった子達を自由にしてやる。空を飛んだり、透明になったり、はたまた異次元に消えたりと、多種多様に逃げていく様はなんともまぁ可愛らしいものだ。
中庭に咲いている、ヌルを目指すサングリング 。いや、ヌルではない。彼らは、急加速に次ぐ急加速によりすぐそこを浮かぶまで来たホシノミ を見ている。やつが放っている、セイデントウ のものと思わしき閃光が、彼らを惹き付けているのだろうか。いや、もしくは何らかの紫外線が放たれているのか…………まぁ、今となってはどうでもよいこと。考えたって無駄なこと。
「……おっと、まだいたのか。もうじきロッシゅ限界が来るというのに随分殊勝なものだね」
誰もいないと決めつけていた研究室に響いたのは、支部長の声だった。刀を手に持ち、一つため息をはきながら、コーヒーカップを啜っている。
「それは?」
「ん、あぁこれ? ヨウトウガラナキ っつう生物なんだけど、これはあんま実用性なくなった個体」
そのヨウトウガラナキを杖のように扱いながら、もしくは三本目の足のようにしながら、体重をかけている。何か小言でも言おうかと思った矢先、目の前に送られた資料のホログラムが現れてしまう。目の前にいるのに、わざわざ資料を送ってくるのは少し横着がすぎるのではないだろうか。まぁ滑舌がくっそ悪い支部長の口を介さなくていいのはありがたいけど。
「……てこれ早く使えば良いじゃないですか……! なんでも切れるなら」
「なんでもじゃあなかったんだ。いや、なんでもでもあった。だが、あの星は、すぐさま再生したんだ」
「……そんなの、あの文書に」
「書かれてなかったさ。差し詰めオーノミ からホシノミに成った、てところか。重力を味方にし、本当の星に擬態しやがった」
「……早いですね、進化」
「変態だろうて」
支部長はヨウトウガラナキを鞘、もしくはゲージにしまいつつ、こちらへと歩いてきた。すっかり誰もいなくなった施設の中では支部長の足音はよく響いており、しかしながら停電によってその表情はよく見えない。
「シヴァーヤ には行かないのか? まぁ行ってるやつは少ないがある程度の安全は保証されてる」
「いえ、私はこの世界が好きなので。それに折角ホシノミの研究機会なのに逃したくはないです」
「良いねぇ。研究熱心なヒト多くて支部長嬉しい」
突然、支部長は手にしていたヨウトウガラナキを床に落とした。最終兵器を有していた手はやがて白衣のポケットに入れられると、一つの紙飛行機を取り出した。非常に精巧に折られている紙飛行機、恐らくはキルシラが持つ、あの空気抵抗をほぼ完璧にいなす形状をも参考にしているのだろうか。一般的な紙飛行機と比較するとやけに折りが多く、非常に奇特な形状をしている。ただただ無心で無策で向う見ずに折った可能性も考慮できるが。
「さてと、不運続きだ。そろそろツバメ の羽でも拾えればいいがね」
支部長は不慣れな筋運動をもってして紙飛行機を投げ飛ばす。その時点で判明したが、紙飛行機はどういった原因かは分からないが重力を無視しながら飛行──恐らくシヴァーヤの分析でもしていたのだろう──し、小さな腕時計がついており、紙は何かしらの種の報告書を折って作ったらしいものだった。
以上が証言を元に記述した内容です。また、日付に関して、C-009-starkaki<ガタレークオ>の影響によりずれている可能性を考慮してください。
また当報告後、影響者及び内葉研究員に対し強制忘却を施しました。
ゲヨントの影響による予言は非常に優秀ですが、少しの行動で外れます。後少しでしょう。
予言2058/██/██、ホシの落ちる日
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