危険度:XX
概要
神流川和仁(カンナガワカズヒト)(以下、神流川氏)は██県出身の日本人男性です。
外見
右手の甲に菱形の痣があり、これは後述の能力発現に関連している可能性があります。
その他、外見に特筆すべき点はありません。
特異性
神流川氏は透明人間です。本部では[トウメイニンゲン]なる不可視生物が発見されましたが、神流川氏はよりパブリックイメージに近い透明人間であると言えます。
常に透過しているわけではありませんが、透過を本人の意思でコントロールすることも出来ません。発見以来、目視可能な状態より透過状態のほうが長く続いています。
身に付けている衣服も同様に透過しており、実験の結果「自身に触れている、自身の質量より軽いもの」も透明にできることが判明しました。「触れる」の範疇は恐らく神流川氏の認識に依存しています。
また、透過している間も五感は問題なく機能しているとのことで、発話も可能です。
管理体制
洋館の一室を神流川氏の部屋として利用させています。誓って、人道に反する人体実験等は行っていません。洋館での監視生活は本人の希望によるところが大きいです。
危険度について
現状、神流川氏は黒烏の衆支部に協力的であり、問題行動も起こしてはいませんが、人間である以上、意思決定に本能の占める割合が大きい他の不可視生物と比べて未確定要素が多い点は否めず、Xと断じることは出来ないとしてXXに設定されています。
インタビュー記録
インタビュー記録T-08-BK-3
実施日:████/██/██
対象:T-0008-BlacK[神流川和仁]
インタビュアー:坂東驢尽研究員
備考:今回のインタビューは対象の過去、また透過能力発現の原因について把握する目的がある。対象はこの時も透過している。
〈録音開始〉
坂東:おはよう、神流川さん。ここでの暮らしには慣れました?
神流川:おはようございます。もうだいぶ慣れましたよ。もっとも、この体にはまだ慣れませんが……。
坂東:そりゃそうですよねぇ。で、今日のインタビューはまさに、その透明化能力を得たきっかけというか、原因となった出来事を教えていただきたいなという話です。
神流川: ……やっぱり気になります?実は、原因はかなりハッキリしてるんです。たぶん。
坂東:と、言いますと?
神流川:1ヶ月くらい前に、「見えざる偽神の会」っていう……カルト宗教?事件とかは無いんですけど、そんな感じの怪しい集会に参加しまして……。すでにそっち側だった友人に誘われて半ば強引に連れてかれたんですけど、その時に何かされたのかもしれません。
坂東:「されたかもしれない」って、何だか他人事のような言い方ですね。何をされたか覚えていないということですか?
神流川:そうです。廃工場みたいな場所に50人くらいの人がいて、奥にいた教祖みたいな格好のおっさんに指名されて前に出た、ってところまでは覚えてるんですが……。気付いたら周りに誰もいなくて、寝転がってたから起き上がろうとしたら、体が見えなくなってることに気づいたって感じです。あ、右手の痣は後から気付きました。その時は透明になってて見えなかったので。
坂東:なるほど。さらっと言いましたけど、結構ヤバい体験なのでは? というか事件ですよそんなの。
神流川:えぇ。それでまぁ、どうにかならないかとネットで色々調べてるうちに、不可視生物生態研究室ってものを見つけて。「ここならもしかしたら!」と思って……。ぶっちゃけ今はもう、元に戻る必要も無いかなって思ってるんです。ただ、原因くらいは知っておきたいというか。
坂東:そうですねぇ。前にも言いましたが、
頭狂支部さんとこのアリャキエダという不可視生物が人間を見えなくさせたという事案はあるんです。ですが神流川さんのそれは全く新しいタイプの完全透過性です。我々も原因の究明は急いでいますが、鍵になるのはやはり「見えざる偽神の会」でしょう。
神流川:そうですか……。いや、ありがとうございます。すいません。あんまり当てにならなそうな話で。
坂東:いやいや、色々と興味深い話でした。その「見えざる偽神の会」についてはこちらで調査してみます。インタビューはこれくらいにしましょう。お疲れ様です。ありがとうございました。
神流川:ありがとうございました。
〈録音終了〉
見えざる偽神の会について
後の調査により、神流川氏が参加したという「見えざる偽神の会」とは、T-0005-BlacK[アデロプセウドス]に洗脳された『教祖』を中心とした不可視生物関連組織であることが判明しました。
構成員の数は多く見積もっても90人程度で活動範囲も狭く、それゆえに今まで我々も発見できていなかった当該組織ですが、人間に透過性を付与する未知の不可視生物ないし技術を保有することが発覚した以上、今後は監視・警戒をより厳重に強化していく方針です。
また、「教祖は人間離れした力を持っている」や「赤黒いサソリを従えていた」などの都市伝説的な情報から、見えざる偽神の会の教祖はP-0008-BlacK[ヒヒイロカギリ]に力を与えられた超人である可能性が高いです。もし仮に全面衝突が起きるとしたら、我々は利用できる全ての戦力を以てぶつかることとなるでしょう。
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